モニタヘッドフォン

モニタヘッドフォンというものをご存知でしょうか。

業務用ヘッドフォンと同義で扱われることも多々ありますが用途は名前の通りモニタリング(監視)のためのヘッドフォンです。音楽制作などに携わる方が主に使われており、録音した音源に粗がないか確かめたり、音量バランスの調整・加工をしたり、アーティストが録音時に自分の歌や演奏を誤魔化しなく聴くために使用します。

傾向として音は固く、線が細く、響きや豊かさ、ふくよかさの対極に位置します。

業務用、という響きがプロ用やプロ御用達のようにも聞こえあまりに甘美なので一般リスナーの方が手を出してしまうことも多々あるようですが決してお勧めしません。

ヘッドフォンの抵抗値が高く、個人のポータブルオーディオでは音量が上がらないこともありますし、本来の音質でヘッドフォンを鳴らしきれないケースもあります。

この二つのヘッドフォンを聴覚の話を視覚に例えた好例があります。

リスニングヘッドフォンは目の前にあるものをそのまま眺める通常の体験をするためのもの。他方モニタヘッドフォンは髪の毛より細い線が描き込まれた図鑑を虫メガネで見るようなもの。音を監視するためのヘッドフォンですからね。

アーティストが普段聴いている音はモニタヘッドフォンでは聴けません。多くの場合彼らもリスニングには別のヘッドフォンを持っています。 業務用の響きにお買い間違いないようにお気をつけ下さい。

このモニタヘッドフォン、日本ではSONY MDR900STが業界標準ですが欧州ではオーストリアのAKGが主流であることが多く諸国で違いがあります。日本の音楽と海外の音楽の音の雰囲気が違うのはこのヘッドフォンの違いとも言われることもあります。

とはいえこれは制作の裏方の話。皆様はアーティストとレコーディング/ミキシングエンジニア達の神経を張り巡らせた作品をありのままに再生するヘッドフォンをお選びください。彼らはモニタヘッドフォンで聴いて欲しいとは思っていませんから。

B&Oではモニタヘッドフォンのラインナップはございません。ですがいずれのリスニングヘッドフォンもモニタヘッドフォンのようなしっかりとした音像を持っていますが適度のふくよかさがあり耳あたりの良い音質です。意外と電子ピアノへの接続やエレキギターのアンプシミュレーターへの接続にお使いいただく方が多いのも特徴です。

楽器の練習の時は有線接続で音楽を聴くときはBluetooth接続。同じヘッドフォンで聴くことで自分の音とプロの音を同じ条件で聴くことができます。

抵抗値もプロ用ではありませんのでPCなどのヘッドフォンジャックでも十分鳴らしきれますので安心してお買い求めください。

これまで音楽好きの方のアイテムであったヘッドフォンというツールがもはや学用品ともいえる時代です。是非ご家族で1台、共用で使えるものを一つお持ちですとこのPost-Covid19を穏やかに過ごしていただけると思います。

それではまた。

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text by SHIO
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