日本に入ってきたデンマークの音楽

デンマークの音楽といって日本人でパッと名前を羅列出来る人は少ないかと思います。しかし思いのほか日本に入ってきているのです。今日はそれを日本に馴染みがありそうなところでかいつまんで書かせて頂こうかなと。

90年代には印象的なアーティストが日本上陸しています。「Dub-I-Dub」で世界的なヒットを生んだME & MYもデンマーク出身。アーケードゲーム『Dance Dance Revolution (KONAMI)』に熱狂した諸兄ならSmileの「Butterfly」など相当聴いたのではないでしょうか。Smileは日本では諸事情でSmile.dkという名称でCDリリースされています。日本のメタルバンドであるXX JAPANに改名したのと同じような理由だと思って貰えば宜しいかな、と。

それから2000年頃には某緑茶飲料のCMソングとしてAquaの「カートゥーン ヒーローズ」は使用されそれがデンマークからきたダンスソングだとは誰も気付かずパンダのパペットと共に受け止めていましたね。 

ロック系ジャンルも多数のグループが日本に入っています。

例えばプロレス好きの方であれば蝶野正洋選手の入場曲である「martial arts」。これはコペンハーゲンを拠点とするヘヴィメタルバンド、Royal Huntによる曲。実は同バンドのAndré Andersenは武藤敬司選手の「TRIUMPH~伝説~」も提供しており両選手の入場曲で奮い立つ人も多いのではないでしょうか。北欧圏ではクラシックの旋律美とヘヴィメタルのパワーを両立したタイプのバンドが多いのも特徴です。

大陸の都市であるホアセンスを拠点とするPretty Maidsはドイツのパワフルな音を特徴とするジャーマンヘヴィメタルと北欧の煌びやかでメロディアスなスカンジナビアンヘヴィメタルの両方の特徴を持つグループ。ドイツとスカンジナビア半島、両土地に挟まれたからこそ生まれた稀有なバンドですね。
彼らによる英国のギタリスト、John Sykesのカバー「PleaseE Don't Leave Me」は日本のテレビプログラムのBGMに定期的に使われるので聴いた事がある方もいらっしゃるのでは。

デンマークのオーディオは土地柄クラシックに強いがロックやダンスミュージックは得意としない、などとまことしやかに言われることもありますが、それらジャンルの国産グループは世界的な活躍を果たしています。思い込みは抜きに思い思いの音楽を視聴して貰えると幸いです。

最後に純粋なデンマークグループではありませんが忘れてはならないデンマーク人ミュージシャンがいます。世界的ロックバンドに君臨するMETALLICA。米国カリフォルニアを拠点としますがドラムプレイヤーのラーズ・ウルリッヒはデンマークのゲントフテ出身。

同氏はドラムでより簡単にパワフルなサウンドを出すためのドラム用シンセサイザーであるドラムトリガーを使用しないことで知られる職人気質なプレイヤーであり、動員人数が4050万、100万人とも言われ伝説ともなった1991年モスクワでの講演ではドラムセットにデンマーク国旗を挿して挑むデンマーク人の誇りを持った人物です。

この伝説の公演もいまやYouTubeなどで視聴可能。旧ソビエトの軍人が警備にあたる中人間で地平線ができるという驚異に目を奪われるでしょう。ご興味があれば是非ご覧ください。

この世界的職人資質なデンマーク人を支えるのは日本の愛知県にあるドラムメーカーである、というのも日本人にはアツいエピソードではないでしょうか。

これは話が脱線しますのでまた機会があればその時にでも。

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text by SHIO
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